コラム
〜 色々なテーマを語ります 〜   第10回


「英語と日本語(同じことを表現できるの?)その3
−渾身のコラム!」
2007/3/22

今回で3回目となるテーマ「英語と日本語(同じことを表現できるの?)」は私の大学院での(オーストラリアの国立クイーンズランド大学院通訳・翻訳課程)研究課題でもありました。
と、言うといかにもアカデミックでカッコ良いですね〜。
本当を言うと実は一つは私のHPに登場してくれてコラム(日記)を書いてくれている
Sharonとの数々の議論(おしゃべり、と言った方が良いかな)から感じ始めたことでした。
特に日本語の季節や草花に対する深い関わりから始まりました。
以前は「言葉は文化の鏡」とか「言葉は文化から生まれる」と言っても「ま、確かにそうだよな」程度にしか感じてませんでした。
突然ピンと来て「日本語と英語はどれだけ互換性があるのか大いに疑問だ!」「こっちの言っている事は100%同じ意味で相手は理解しているんだろうか?」

もう一つの発端はゴルフ仲間との話の中で「こいつらの話を聞いてるとまるで皆めちゃくちゃ巧い様に聞こえるよな(ちきしょう)」という不満と疑問と疑惑の目と猜疑心などの複雑に入り組んだ本能的な感情「なんとか分析して解明して見返してやるぞ!(何を見返えすのか、判りませんが?)」という勘違いの動機もありました。

という事で極めてアカデミックな動機と極めて感情的且つ不順な動機の両方から「こっちの言っている事は100%同じ意味で相手は理解しているんだろうか?」そして「あっちの言っている事って日本語にするには『言語と文化のフィルター』を通して理解しないとダメなんじゃなかろうか?」という大いなる疑問が始まりました。

例【1】『日豪間に結ばれた一番最初の姉妹都市提携であるという理由で、姉妹都市提携で大きな成果を挙げておられる皆様を差し置いて、このような意義深い場でリズモア市と共にご紹介頂き、ご挨拶させて頂く事は誠に光栄でございます。』
    
日本語の核文    →日豪間最初の姉妹都市提携です。
皆様を差し置くのは僭越と理解します。
ご紹介頂きご挨拶させて頂くことは光栄です。

これは英語に翻訳すると
--We, the city of Lizmore and Yamatotakada city, formalized the very first sister city relationship agreement between Australia and Japan.
--I believe that we should pay homage to you first, who have been successful in
programs in the sister city relationship.
--It is our privilege to be invited and introduced along with the city of Lismore, and to address such a wonderful seminar. ”
日本語の全体のトーンは明らかに「大変申し訳ありませんです。皆様方の様なお歴々
の方々に先んじて、こんな些細な理由で特別に紹介して頂き、誠に申し訳有りましぇ〜
ん。」この重要な感情が英語では欠落しているんではないでしょうか。

例【2】『しかし桜の花の美しさが一輪毎の美しさであるように、小さな友好を積み重ねる
ことがこれからの日豪間、いや世界にもっと必要な事ではないでしょうか。』

日本語の核文 →桜の花は美しい。
小さな友好の積み重ねが必要。
英語の翻訳では、
--Is it not true that the beauty of cherry blossom is just a continuous accumulation of the tiny flowers?
--Is it not true that gathering small increments of relationship is of great importance for
the relationship between Australia and Japan for the future-or is it not also true for the world?

これは日本人が普通に持つ「桜」に対する感情が大事ですよね。ここん所の「春を待ち焦がれる気持ち」とか「花びらが二重三重と重なってその花の美しさが倍加する感じ」が背後にあるんじゃないでしょうか?こんな感覚が我々には目に浮かぶんですよね!だからこの文脈では「桜」がぴったりなんで、チューリップや百合ではちょっと違うんだな〜。こんな事って「Native English Speakers」は理解出来ますでしょうか?

こんな例は極めて文化的な色彩が強い、と思われるかも知れませんが、でもこれって我々が毎日使っている言葉じゃないでしょうか。
『言葉は文化』だと思います。
皆様も英語や英会話を学校などで「Native English Speakers」と一緒に勉強される際には、こんな問題点や疑問をキチンと理解出来る先生を選んで下さいね。

さて『立ち居振る舞い』も言葉と文化によって大いに変化してきます。
次回は英語と日本語を話す時、『立ち居振る舞い』がどう変わるかお話しますね。
乞うご期待。
 
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