コラム
~ 色々なテーマを語ります ~   第14回


英語を使いこなす上達方法
「上達する人ってどんな勉強をしているの?」
2007/7/17

事実 1:
 「アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、NZなどの国に行けば・・・
 英語が話せるようになる」 は誤解ですね。

英語圏にさえ行けば誰でも大した努力もせずに英語が上達する事実はありません。ハイ。
この幻想が海外語学学校プチ留学、数週間のホームステイなどの商売を支えているのかと思います。勿論楽しい文化交流や異文化体験は出来ますが、それ以上を望むのは難しいですね。
       
事実 2:
 「アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、NZなどの国で暮らしていれば・・・
 英語が堪能になる」 も悪い迷信です。

20年も住んでいるのに片言程度しか英語が出来ない人は沢山居ます。
英語圏からの帰国した方々も一見英語ができるように聞こえます。が、読むこと、書くことも含めキチンと出来る人は極めて少数です。
友達とのおしゃべり程度は不自由なく話せても、それ以上の会話になると文法は知らない、単語の語彙もないことが多いのが現実ですね。

事実 3:
 「アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、NZなどの国に行かなければ・・・
 英語が話せるようにならない」 というのも悪い冗談です。


事実1、2、3の夫々の理由をいくら述べても「英語の上達」には繋がらないので、今日は「上達する人はどういう勉強をしているのか」をお話ししたいと思います。


英語が上達するのに魔法ってあるのかな~?
ではその「魔法の実態」とは?

1:電車に乗っている時は宣伝広告・雑誌の記事を見て、英訳を試してみる。
電車でキョロキョロしている挙動不審な奴、と思われるかも知れませんね。
でも退屈な電車の時間も英訳を考えているだけで時間があっという間に経ちます。
自分の持っている語彙・文法力・表現力を徹底的に使ってみましょう。
出来た英訳が正確かどうかよりも頭の体操。脳の活性化に多いに役立ちます!
英語のトレーニングであり、脳の若返り策、老化防止法で且つ効果的な練習方法です。
ポイントは日常生活の中に常に英語との繋がりを持つことです。どんな所にも学習するネタがあるという例です。
2:一人で歩いている時も電車に乗っている時もモゴモゴ。
英語を勉強する時間が無い、と言うのは切実なる問題ですね。
「練習は効果的な練習方法をとってこそ効果がある」とは私のゴルフのコーチが常々言っていることです。正に名言!
英語を話せるようにするには、単語カードではなく必ず「文章で」覚えることをお薦めします。単語カード、単語帳ではなく、「文章カード」。それを持ち歩いて歩いている時はモゴモゴ言って練習しましょう。
こういう効率的な学習方法を教わるという意味では英語のレッスンを受けるのも良いでしょう。こういうノウハウを沢山持つ方のレッスンをおすすめします。
3:教材は一つに絞る。
最も良い教材の一つは、安価でどこでも手に入り、講師も優れているNHKのラジオ・TVの番組だと思います。そんなラジオやTVのテキストだけをやっても、「どうもね~。上達するの?」とお思いになる諸兄を多いかも知れませんが、こんな事も出来ますよ。
例えば、書いてある文章の時制を変える、テキストに現在形で書いてあったら、過去形・未来形・現在完了形・現在進行形などに時制を変えて言ってみましょう。
動詞を類語や反対語に変える事だって中々簡単では有りません。語彙を増やす必要を痛感するでしょう。使われている形容詞を変える、同じ意味を別な表現で言い換える、話の内容を“楽しい”設定や“暗い”設定に変えて話し方を設定に合わせて言ってみる、疑問詞を使って疑問文にしてみる、付加疑問文を作ってみるなどなど、やれることは限りがありませんね。こうしてみると想像以上にテキストの活用方法が広がるものですね。
NHKのテキストの一日分をこんな風に活用したらその一日分のダイアローグを一週間練習しても終われないほど内容が豊富です。
4:文法をしっかり知る。
「英語を話す」ことが出来るためにはoutputする文章が身に付いていないと話せません。とっさに和文英訳をするとか、その場で知っている単語を探して英語に直す、という作業は全く役に立ちません。残念ですが。
outputする文章は身に付いている=何時でもどこでも言える文章がある、ことが前提です。
しかし「いつでもどこでも言える文章はそう簡単には増えないじゃない!」。 ですよね。
それに、相手と何かの話しをしている時、話している内容とピッタリの内容の英語を
どうやって身につけられるのか、殆ど不可能!と思われるかもしれません。
文法はそんな時に活用できます。
一つの文を覚えたとしましょう。その文章の仕組みを文法的に理解出来ていればその文章を色々な形に変化させることが出来ます。上述③の様に変化に対応出来る知識は文法から得ましょう。
もう一つ。文法書はなるべく例題が沢山載っているものを使いましょう。
文法書は自分で書き換えたり、自分で書き足して「自分が創りあげる」ものだと考えましょう。
言葉は生き物です。文脈の中で個別の意味が生まれます。同じ単語でも使われている文や文脈の中で訳が変わりますね。市販の文法書は用例が限られているので、より実用的な文法書は自分が見つけた文例を足して「自分の文法書」を作りましょう。
5:してはいけない時以外は全て音読する。
回りに迷惑になる時以外は、いつも音読しましょう。
ちょっと試してご覧になれば直ぐ判ることですが、黙読が出来ても、音読して発音するとth, f, v, の正しい発音やth-th, p-f, l-r, f-rの繋がりの発音、リエゾンや変化音は「出来ると頭で思う」のと「実際にやってチャンと出来る」のとでは大きな差があります。
必ず音読し、何度も同じ文章をスラスラ言えるまで練習しましょう。
6:自分の声を録音する。
誰しも自分の声を聞くのは大嫌いです!
その上、発音がチキンと言えていない、リズムが巧くいってないなど色々な課題がみえてくるので自分の声を聞くのは耳を覆いたくなるほど辛いものがありますね。
でも、「課題」が見えてこそ、「改善」が出来るとも言えます。
自分の声を録音して聞いて、改善点を知る事で発音が大きく飛躍します。

英語のレッスンを受ける利点はここにあるでしょう。
 会話や各種英語力を分析してもらい、どこが素晴らしい点でどこが課題かを明確にし、それに対する改善策を提示してもらい、次のステップに繋げることが重要です。
どんな方からレッスンを受けるにせよ、「分析」「改善」「実行」がポイントです。
7:英語を勉強する時、練習する時は「集中」。
「何かをしながらの“ながら族”で上達する」という事は無理です。
練習する時も仕事の段取りや取引先の商談のこと、家族やお子さんの事や、「そうそう、あれやっとかなくちゃ」という多くの事柄が頭をよぎって、心ここにあらずで時間だけが経ってしまう事がありますね。
日常生活の中である時間だけ切り取って英語の学習に集中するのはそう容易ではないかも知れません。しかし集中していない勉強は結局、時間が経過するだけで、身に付く英語にはなりません。
勉強しようと決めたら、短時間でも良いので他の事は頭から切り離して集中して勉強しましょう。
8:お金は使わず、頭と耳と目と口を使う。
最後になりますが、英語を学習すればするほど、日本語との違いや文化の影響を感じると思います。
外国から来ている先生がいるというので英語学校に多額のお金を払って「これで良し。お金も払ったし、レッスンの日程も決まったし、これで安心だ」と思う方が多いようですが、英語学校に通っても、お金を払ってDVDや教材を購入しても、それから始まる自分自身の練習と努力を軽減してくれるものではありませんね。

学習・練習は継続こそ力なりです。
internetでも数多くの学習サイトが無料でありますし、上述のNHKのラジオ・TVはただです。テキスト代は数百円で済みます。
使うのはお金ではなく、自分の頭を使って色々な練習方法をやってみましょう。聞き取れない言葉や会話は何回も何回も判るまで聞きましょう。10回聞いて判らなければ20回聞いてみましょう。
TVやビデオで発音の音を聴き、目で口の形を見ましょう。注意してご覧になると今までの自分がやってきた発音や口の形と微妙に違うことに気が付くこともあるでしょう。
是非、口を使って音読をしましょう。日頃使わない英語の発音にする為に口の筋肉の練習や発声法は欠かせません。
お金では上達は買えません。
ご自分の五感を使って練習することこそが上達への正道であり、唯一の道です。

さて英語の上達を目指しレッスンを誰かに受ける効用は大きく分けて2つあると思います。
効果のある、効率的な学習方法を教わる。
 「効果的な練習ノウハウ」を知り、実行するためにレッスンを活用しましょう。
少し上達したら、英語力を分析してもらい「改善策」を知り、
 それをステップアップの為に「実行する」ことです。

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