コラム
〜 色々なテーマを語ります 〜 第6回
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「英語の勉強方法 俗説と真実」 |
2007/2/24 |
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確か1980年代だったかと記憶します。
勤務先の会社は総合商社でしたので、「ラーメンからロケットまで」なんでも手がけると言われていました。
その会社がどういう訳か「繰り返し観れば上手くなるゴルフビデオ!」というのを売り出しましたのを皆さん覚えて居られるかも知れません。
簡単に言うと、ビデオを繰り返し観るだけで、脳のどこかに、何らかの素晴らしい影響を与え、運動神経と反射神経を司る脳のある部分が働いて、なんだかんだで結局ゴルフが上手くなる。というものだったかと思います。
爆発的に売れた、と聞きました!
英語の学習について日々目にする各種媒体の宣伝を今日は楽しく検証して見たいと思います。
さてさて 例を挙げながら進めましょう。
例1 マラソンの様に聴きましょう 編
「マラソンの様にテープを聞き流すだけ。自然に英語ができるようになります」
例2 ネイティヴ スピーカーとお話しましょう 編
「外人講師とコーヒーショップでお話。自然に英語ができます」
例3 限定20単語で簡単に会話 編
「厳選された重要単語を20覚えるだけ。またたく間に会話ができます」
例4 ぺらぺら発音、良くしゃべれるようになる 編
「あなたも おしゃべりが英語で。ぺらぺらになれます」
身近なスポーツ、う〜ん、水泳を例にしてみましょう。
例1 マラソンの様に聴きましょう 編
「マラソンの様にテープを聞き流すだけ。自然に英語ができるようになります」
水泳の場合。仮にAさんは未だ余り泳げないとして。
「オリンピック出場の一流のコーチの指導・発言をテープにとって、一日中コーチのテープを流して聴き、夜も枕元にテープを流し続けます。自然に綺麗な正しいクロールやブレストやバタフライが泳げるようになる」でしょうか?
Aさんが現状、余り泳げないとしたら、テープを2百回聴いても自然に泳げるようになると思われますか?
もしかしたら水に浮くことすら出来ないかも知れません。
英語も全く同じです。テープをシャワーの様に流して聴くだけで唯一判るようになるのは「このテープで使っているのは“英語だな”」位でしょう。
端的な例は現実にあります。長年英語圏に暮らしていながら一向に英語が上達しない方々の存在がそれを証明しています。
例2 ネイティヴ スピーカーとお話しましょう 編
「外人講師とコーヒーショップでお話。自然に英語ができます」
Aさんは水泳は初心者。今 オリンピックの金メダル所持者の指導を受けている最中。
横で金メダリストの泳ぎを見ながら一生懸命真似してみます。
まさに外人講師を“金メダル所持者の指導”として、コーヒーショップでお話を“横で金メダリストの泳ぎを見ながら一生懸命真似してみる”と同等と想定するとどうでしょうか。
経験豊富な先輩達から指導を受けるのは素晴らしい貴重な経験ですね。
英語を実際に使ってみる時の勇気・大胆さ・積極性は英語を学習する上で必要不可欠だと思います。特に相手を前にして話す際は、必然的に文の変換や言葉の入れ替えを瞬時に迫られます。この強制力で英語力は繰り返し鍛えられます。
さて巷の一般の水泳選手たち、或いは町の大会、市や県大会に出場する選手はどれほどの練習をしているでしょうか?Aさんもこれから上手に泳ぐにはどうでしょうか?
コーヒーショップでのお話しを「練習」とすればどうでしょう、どれほどのコーヒーのお代わりが必要でしょうか?
例3 限定20単語で簡単に会話 編
「厳選された重要単語を20覚えるだけ。またたく間に会話ができます」
Aさんは相変わらず水泳に熱心に取り組んでます。水泳専門家が厳選してくれた20の
「これを覚えれば、素晴らしい飛び込みができる」を入手しました。
これさえあればもう安心!今回は良い泳ぎが出来る気がする、とAさんは思います。
でも水泳は飛び込みだけではないですよね。難しいのは。体の各部分、呼吸、あらゆる動きが纏まって初めて全体の泳ぎが出来て来るものですね。
英語は話す、読む、書くがあります。文法には主語や動詞、副詞とか。構文も沢山ありますね。最もポピュラーな辞書の一つ、ジーニアス英和大辞典は収録語句数25万です。
御自身がデパートやスパーで店員さんと会話をする場面を想定してください。
20語を駆使した英語の文章を組み合わせて出来る内容を見れば、大人の会話としては余りに寂しくはないでしょうか?
話すにあたってもリスニングの力をつけるにも、或る程度の語彙がなければ始まりません。
読んで判らない単語は聞いても判りませんし、当然自分で使う事も出来ません。
知らない単語は聞き取れないんです!
例4 ぺらぺら発音、良くしゃべれるようになる 編
「あなたも おしゃべりが英語で。ぺらぺらになれます」
お子さんAちゃんが水泳教室に来ています。
だいぶ水にも慣れて来ました。本人も水泳が楽しくてしょうがありません。
若干、ばちゃばちゃという泳ぎですが、上達は間違いありません。
日本人も英語圏のお子さんも、一応皆さん、自国語については、ヒヤリングもスピーキングも殆ど不自由はありませんね。でも耳にする日本語や英語をすべて理解しているわけではありません。Aちゃんの水泳教室でもお子さんが理解できる範囲しか教えません。
日本語でも英語でも「ぺらぺら発音が出来る5歳児のレベル」程度で大人の我々が留まっていいのでしょうか?
知識・経験・実績がある大人の方々はお子さんとは違って、物事に対する深い理解をお持ちです。特に御自身の専門分野の内容を理解出来る能力は比較の対象になりません。私にとって鉄の話であればかなりの専門的な事柄でも日本語英語両方で判ります。
「日本語で内容を理解」できる分野については、実は英語で聞いても読んでも高い確率で英語が理解出来るのです。そしてスピーキングはヒヤリング・リーディングが出来るようになれば、出来るようなります。
良く「赤ん坊や子供は言葉の達人だからね〜。我々大人も同じ環境に身を置けば自然に英語が身に付くはずだよね」というコメントを聞きます。“赤ん坊と同じ様に英語が溢れる外部環境”に身を置きさえすれば良いんだ!と。
しかし、上述の例1の最後にコメントした通り、英語の溢れる環境に何年も住んでいるのに上達しないケースはどう説明できますでしょうか?
実は外部環境が英語でありさえすれば、勝手自然に物事が上手く進むのではなく、ご本人の意識の問題の方が重要だと私は考えます。
新聞各紙、英語教本の綴じ込み、そしてTVで毎日繰り返される宣伝を見て「へ〜楽して英語を学習する方法が現実にあるんだ〜!」と思い込まされていませんでしょうか?
20年も前に「柔軟体操も、ランニングも、エクササイズも一切不要。プロのこのゴルフビデオを見続ければ、ある日突然、素晴らしいスウィングが手に入ります」という話で「繰り返し観れば上手くなるゴルフビデオ!」が一時爆発的に売れて、その後誰もそのビデオの事を話題にもしなくなった事を思い出させます。
SES(Sunny’s English Square)は英語学習の質問疑問にお答えし、一人一人のニーズに合った学習方法をカスタマイズします。ご覧になってお分かりの通り外国語の学習は一筋縄では行きませんが、自分の求める目標の達成であれば必ず成果が出ます。
それを基にステップアップしましょう!
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今後、どんどんコラムを書いてゆきます。どうぞお楽しみに。
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